腹式呼吸ボイストレーニングの流行について

10~20年前に重要視されていた「腹式呼吸で歌う」という発声法は近年、多くのプロボーカル教室であまり重要視されていない。大阪の弁天町でプロを育成するボイストレーニング事務所を経営している「I氏」曰く、歌声というのは、声帯を通ってきた空気が鼻腔、口腔、喉腔、の3つの空間をどのような比率で、どのように振動して通り抜けて来たかによって決まるという。腹式呼吸は横隔膜を下げる動作で、それによって、肺活量や、声の大きさは変わっても、「腹式呼吸ができないから、歌が下手くそ」という事にはならないらしい。

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その議論をする時によく引合いに出されるのがキンキキッズという二人組の同姓歌手ユニットだ。お互いソロで活動もしているが、堂本光一は腹式呼吸がとても上手く、ブレスの時(息を吸うとき)に肩が全く上下しない。一方の剛は肺呼吸のためにブレスの度に肩が波打つ。二人とも高い歌唱力を持っているし、楽曲もよく売れている。このことから、『歌が上手い(売れる)』=『腹式呼吸ができる』の構図は崩壊したといえる。

とはいえ流行り廃りがめまぐるしく変わる分野、また腹式呼吸が重要視される時代が到来する事も考えられる。時勢に惑わされず、ボーカルの皆さんは自分らしい声を追求し、私たちの心に響く音楽を提供して欲しい。